Shimbashi
―ローマ字の訓令式とヘボン式―
亀さんは地下鉄に乗るといつも気になることがあります。
例えば、上の写真を見て下さい。東京メトロの駅名のローマ字表示です。「新橋(新橋)」が「Shimbashi」になっています。
ローマ字表記で、2つの「し」が「shi」になっているのは違和感がないのですが、「ん」が「m」になっているのは、???です。
さて、亀さんたちは、小学4年生の時に、ローマ字を習いました。その表記法は、日本式をもとにした訓令式でした。
一方、亀さんが生まれた旧軍港の町・呉市では、戦後、進駐軍(占領軍)の基地があったため、日本の地名や商店名がローマ字で書かれていました。ただ、その表記法は、ヘボン式の表記でした。
町中にあふれていたヘボン式ローマ字では、、「し」は「shi」、「ち」は「chi」、「つ」は「tsu」、「ふ」は「fu」、「じ」は「ji」でしたが、学校で習う訓令式ローマ字では、それぞれ、「si」、「ti」、「tu」、「hu」、「zi」でした。
現在も、日本において、学校教育ではヘボン式ローマ字は習いません。
しかし、実社会、特にパソコンでは、ヘボン式ローマ字がよく使われ、また、町なかでもヘボン式ローマ字をよく見かけます。
訓令式では、「ん」はすべて「n」ですが、ヘボン式では、「b, p, m」の前に限り「m」を使うのです。
上の写真を見ると、「銀座(ぎんざ)」や「神田(かんだ)」の「ん」は「n」ですが、「日本橋(にほんばし)」の「ん」は「m」になっています。
パソコンをやっていると、ヘボン式に慣れますが、この「m」の表記はパソコンでは「ん」にならず、「ん」を「m」と打つことはありません(追記2参照)。
だから、「m」の表記を奇異に感じたんでしょうね。
なお、調べてみると、外務省の旅券の姓名(注1)や道路標識(注2)や鉄道の駅名表記(注3)では、ヘボン式が用いられているようです。
だから、学校教育で教えなくてもヘボン式が普及したんですね。(記入者:亀さん)
追記1:なお、このことについては、前に一度書いたような気がしたのですが、調べてみると書いていなかったので、書いてみました。
追記2:「shimbashi」と打っても「しmばし」にしかならず、漢字転換して、ようやく「新橋」になるのです。したがって、「shinbashi」又は「shinnbashi」と打つことになります。
追記3:今日、都営地下鉄に乗って、駅名表示を見ると、もちろんヘボン式でした。隣りの駅の「神保町(じんぼうちょう)」は「Jimbocho」で、「ji」も「m」も「cho」もヘボン式特有の表記です。
(注1)旅券でのヘボン式ローマ字綴方表:http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/hebon/
(注2)道路標識のローマ字(ヘボン式)の綴り方:http://www.kictec.co.jp/varieties-road-sign/hebon-romaji/
(注3)鉄道の駅名のローマ字表記法:http://www.jtw.zaq.ne.jp/sugitani/nankai/fushigi/romaji.html、http://himetorao.aikotoba.jp/roman/station.html
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