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学問・資格

2015年2月19日 (木)

Shimbashi

 ―ローマ字の訓令式とヘボン式―

亀さんは地下鉄に乗るといつも気になることがあります。

150218011dsc_0037例えば、上の写真を見て下さい。東京メトロの駅名のローマ字表示です。「新橋(新橋)」が「Shimbashi」になっています。

ローマ字表記で、2つの「し」が「shi」になっているのは違和感がないのですが、「ん」が「m」になっているのは、???です。

さて、亀さんたちは、小学4年生の時に、ローマ字を習いました。その表記法は、日本式をもとにした訓令式でした。

一方、亀さんが生まれた旧軍港の町・呉市では、戦後、進駐軍(占領軍)の基地があったため、日本の地名や商店名がローマ字で書かれていました。ただ、その表記法は、ヘボン式の表記でした

町中にあふれていたヘボン式ローマ字では、、「し」は「shi」、「ち」は「chi」、「つ」は「tsu」、「ふ」は「fu」、「じ」は「ji」でしたが、学校で習う訓令式ローマ字では、それぞれ、「si」、「ti」、「tu」、「hu」、「zi」でした。

現在も、日本において、学校教育ではヘボン式ローマ字は習いません。

しかし、実社会、特にパソコンでは、ヘボン式ローマ字がよく使われ、また、町なかでもヘボン式ローマ字をよく見かけます。

訓令式では、「ん」はすべて「n」ですが、ヘボン式では、「b, p, m」の前に限り「m」を使うのです。

150218022dsc_0038上の写真を見ると、「銀座(ぎんざ)」や「神田(かんだ)」の「ん」は「n」ですが、「日本橋(にほんばし)」の「ん」は「m」になっています。

パソコンをやっていると、ヘボン式に慣れますが、この「m」の表記はパソコンでは「ん」にならず、「ん」を「m」と打つことはありません(追記2参照)

だから、「m」の表記を奇異に感じたんでしょうね。

なお、調べてみると、外務省の旅券の姓名(注1)や道路標識(注2)や鉄道の駅名表記(注3)では、ヘボン式が用いられているようです。

だから、学校教育で教えなくてもヘボン式が普及したんですね。(記入者:亀さん)

追記1:なお、このことについては、前に一度書いたような気がしたのですが、調べてみると書いていなかったので、書いてみました。

追記2:「shimbashi」と打っても「しmばし」にしかならず、漢字転換して、ようやく「新橋」になるのです。したがって、「shinbashi」又は「shinnbashi」と打つことになります。

追記3:今日、都営地下鉄に乗って、駅名表示を見ると、もちろんヘボン式でした。隣りの駅の「神保町(じんぼうちょう)」は「Jimbocho」で、「ji」も「m」も「cho」もヘボン式特有の表記です。

15021901dsc_0040(注1)旅券でのヘボン式ローマ字綴方表:http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/hebon/

(注2)道路標識のローマ字(ヘボン式)の綴り方:http://www.kictec.co.jp/varieties-road-sign/hebon-romaji/

(注3)鉄道の駅名のローマ字表記法:http://www.jtw.zaq.ne.jp/sugitani/nankai/fushigi/romaji.htmlhttp://himetorao.aikotoba.jp/roman/station.html

2011年10月 8日 (土)

山本義隆氏の評論

     ―なつかしい名前に…―11100701p1080548

先日、書店の店頭で、評論の著者に、なつかしい名前を見つけました。その評論は、山本義隆著の「福島の原発事故をめぐって いくつか学び考えたこと」(みすず書房)です(注1)

亀さんたちは大学紛争世代ですが、当時、山本義隆氏は東大全学共闘会議議長で、日大全共闘議長のA氏(注2)とともに、全共闘を象徴するカリスマ的存在でした。

そのなつかしい名前に惹かれて、亀さんは、その本をつい買ってしまいました。

亀さんは、同氏をはじめ、当時の大学生がこの日本の将来について、未熟ながら、それなりに真剣に議論し、行動していたことをなつかしく感じました。11100702p1080538 11100703p1080525 11100704p1080534

最近、たまたま、東京大学に行く機会があったのですが、正門にも赤門にも安田講堂前にも政治的なスローガンを書いた立てかん(立て看板)は全く見られず、学生が政治的に無関心であることが感じられました。11100705p1080536 

また、大学生が政治的な集会に利用されていた構内では、ピクニックに来た親子連れがお弁当を広げ、ドングリを拾っている子供たちが走り回っていました。

大学紛争が良いことだったとは言い切れませんし、現在の大学生が就活に追いまくられている状況に同情するものの、大学生の政治的無関心さを残念に思うとともに、わが国の政治の劣化を嘆かわしく感じる亀さんです。(記入者:亀さん)

追記:大学生協の売店では色々な東大グッズが売られていたので、東京大学チョコレートと東京大学ゴーフルを買って帰りました。(これを食べると、頭が良くなるのかな?無理か…。)11100706p1080541

注1)この評論は、原爆を含む原子力開発の背景・歴史・限界性から、一刻も早く原発依存社会からの脱却を論じ、原発の容認は子孫への犯罪であると論じているものです。(福島原発事故自体についてはあまり書かれていません。)

(注2)A氏は、亀さんの故郷の呉市出身で、地元で自動車修理工場を経営される一般人になっておられるので、固有名詞の記述は差し控えました。

2010年3月19日 (金)

卒業式の季節

      ―頑張れ!若者!―100317031 100317042

先日、九段会館で会議がありました。

九段会館の周辺には、日本武道館で行われる卒業式に出席する私立のT大学生で一杯でした。

女性は着物と袴、男性はスーツ姿で、いつも繁華街で見かける若者のファッションとは異なり、卒業式の定番の服装です。

親子連れの人たちもいます。親たちは卒業した我が子よりも嬉しそうにニコニコされていました。仕送りなどで苦労させられた、我が子の晴れの卒業式ですからその喜びは大きいのでしょう。

でも、最近では、大学入試の際にも親が付いてくるために、受験生の父兄用の控室が用意してあるようで、基本的に親が子離れしておらず、子も親離れしていないのでしょう。

このような風景をみると、亀さんたちの頃とは隔世の感があります。亀さんの時代には、親同伴の大学受験などはなく、親同伴の卒業式は中学校くらいまででした(注)

ところで、この卒業式にあわせて九段会館で謝恩会を行うグループもあり、卒業する大学生たちの会話を聞いていると、彼たちの会話は就職のことが中心でした。就職の決まっていない人もいるようで、就職戦線の厳しさがひしひしと感じられました。

いずれにしても、卒業した若者たちは、今後色々な困難に遭遇することでしょうが、それぞれの幸せと日本の将来の繁栄を目指して頑張って欲しいものです。(記入者:亀さん)10031811

追記:昨日の日比谷公園の付近は、K外語大学の卒業式に出る学生さんで一杯でした。

(注)もっとも、亀さん自身は、卒業式らしい卒業式を経験していません。なぜかと言うと、大学の卒業式は大学紛争で大学の講堂が炎上したために行われず、また、中学校の卒業式は中高一貫だったので形式的に行われ、高校の卒業式は大学受験を失敗した亀さんにとってはいい思い出ではありませんでしたから。

2010年2月16日 (火)

おもしろトイレットペーパー

   ―英語の勉強に踏ん張るか!―100215011 090620011_4

昨年、このブログで、「トイレで読む体感ホラー ドロップ」という本屋で売っていたトイレットペーパーのことを書きました(注1。写真上右)

トイレに入って、トイレットペーパーに書かれた小説を読むというのは、“一石二鳥”だと思ったのですが、実際は上手くいきませんでした。

そのトイレットペーパーを一人で使うのであればいいのですが、家族で使うと、朝読んだ続きを読もうと思っても、他の人が使用していると、話が飛んでしまうのです。

したがって、「ドロップ」という体感ホラーがどんな筋だったのか分かりません。

ところが、今度は「Englishで遊ぼう」という面白いトイレットペーパーを2つ入手しました(写真上左)行きつけの大型電気店の抽選で当ったのです(正確に言うと、外れ無しの抽選で最下位の景品でした。)100215022 100215033

今度のトイレットペーパーは、7つの質問(注2)が繰り返し出てくるので、家族で使っても、各質問が独立しており、大丈夫です。

内容的に中学校1、2年生程度ですから、何とかなりそうです。

それなら、トイレをしながら、フンバッテ、英語の勉強をしてみますかね…。(記入者:亀さん)

(注1)2009.6.21付け「本屋でトイレットペーパーを買う!」:http://dankai-hiroba.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-f8bc.html

(注2)各質問の要旨:①アルファベットを並べ変えて単語にする。②文章に合うように単語を並べかえる。③英語のしりとり。④体の各箇所を英語で言う。⑤人称代名詞。⑥イラストの単語を探す。⑦トイレで困った時に役立つ会話文を作る。

2009年7月17日 (金)

雪月花の数学

     -和算の魅力に取り憑かれたよ!-

亀さんは、7月6日のブログ(注1)に書いたとおり、「円周率を計算した男」(注2)を読んで以来、和算(明治以前に日本で発展してきた数学)に取り憑かれています。

09071501そのブログでも書いたように、最近は、Amazon.co.jpに注文して購入した、「東海道五十三次で数学しよう」(仲田紀夫・黎明書房)と「雪月花の数学」(桜井進著・祥伝社)を読みました。

前者は、内容が2部に分かれていて、第Ⅰ部が和算の歴史、第Ⅱ部が東海道五十三次パズルになっており、和算とは何かを知るには面白い本で、数学が苦手な人にも読み飛ばせます。

後者は、数学に興味のあるが、日本文化には疎いという人に是非読んで欲しい本です。この本は5章に分かれますが、章名と副題を順に記載すると、次の通りです。

“①日本の美に潜む√2と正方形の謎 日本人が愛する「数」と「形」、②黄金比が描く「動」 白銀比が示す「静」 数学が明らかにしたヨーロッパと日本の感性の違い、③「五・七・五」と「素数」の関係 なぜ日本人は「3・5・7・9」の「奇数」を大切にするのか、④江戸の驚異的数学「和算」の世界 天才数学家を輩出する日本。その伝統と理由、⑤雪月花の数学 四季折々の自然を愛でる心。数式はすべてを知っていた

著者は、「はじめに」で、”この本の表題にある「雪月花」とは、かつて川端康成がノーベル文学賞受賞記念講演で挙げた、日本人の自然観を表現する最もシンボリックな言葉である。そこに数学がクロスオーバーする。”と書いている。つまり、日本人の自然観と数学という無関係のようなものがそこの方で繋がっているというのは、実の面白い。

逆に、欧米人が好きな黄金比から螺旋階段が生まれ、ガウディのサクラダファミリアの建築群が生まれること、また、ヒマワリの種や巻き貝の渦などが黄金比に由来する螺旋状であることなども興味深かったですよ。

また、日本の生け花が「3・5・7」を基本とし、西洋のフラワーアレンジメントが「3・5・8」を基本とする理由など、実に面白いものでした。

最後に、「私は数学が苦手だから・・・」という人に、ひとつ興味深い話を。「にっちもさっちもいかない」という言葉は、江戸時代の人が寺子屋で習っていた「割り算の九九」からきた言葉だそうですよ!(記入者:亀さん)

(注1)7月6日のブログ:http://dankai-hiroba.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-2e8c.html

(注2)6月5日のブログ:http://dankai-hiroba.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-88c5.html

2009年7月 3日 (金)

法隆寺と白銀比・五稜郭と黄金比

    ―身近な√2に驚く!―09070101

6月5日のブログ(「浅草の算子塚…」・注1)で書いた「円周率を計算した男」を読んで以来、亀さんは和算に興味が出てきました。

そこで、和算に関係した本を探しにいくつかの本屋さんに行きましたが、お目当ての「雪月花の数学」(桜井進著・祥伝社)や「東海道五十三次で数学しよう」(仲田紀夫・黎明書房)はありませんでした。

そこで、江藤邦彦著の「法隆寺にひそむ白銀比 五稜郭にひそむ黄金比」(ベレ出版・注2)を購入しました。

江藤邦彦さんは高校の数学の先生を定年退職後、喫茶店を経営する傍ら、分かりやすい数学の本を出版されている人で、この本は、「目に見える数学のおもしろさを」分かりやすく解説しています。

第1話は、√2をめぐるおもしろい話が満載しています。

“√2なんて関係ない!”と思われがちですが、日本では聖徳太子の時代から使われていたようですよ。

驚きの最初は、大工さんの持っている曲尺(直角に曲がった金属製のものさし)の裏の目盛りはおもての目盛りの√2倍の間隔で刻んであるということです。それは、丸い木材から最も太い角材を作るために必要だったようです。(詳しくは本を。)

それに、身近にあるA○判、B○判の用紙は、縦の長さは横の長さの√2倍になっており、法隆寺の五重塔の一番下の庇の幅は一番上の庇の√2倍、夢殿の側面の横幅は縦の√2倍になっていて、1:√2は白銀比というそうです。単行本やガイドブックも縦横が白銀比のようです。

第2話は、五稜郭・五角形と黄金比(1:1+√5/2)の関係が分かりやすく、解説されています。身近なものとしては、キャッシュカード、テレフォンカード、IC型乗車券は縦横が黄金比になっているようです。

以下、色々興味深い話題が満載の本です。ただ、多少、数式や幾何図形などが出てくるので、数学の苦手な人はそこを飛ばして読まれると良いとおもいます。

なお、冒頭に書いた2冊の本は、一昨日、Amazon.co.jpに注文し、昨夜届きました。それを読んだら、またレポートをします。(記入者:亀さん)

(注1)6月5日のブログ「浅草の算子塚・・・」:http://dankai-hiroba.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-88c5.html

(注2)「法隆寺にひそむ白銀比 五稜郭にひそむ黄金比」:http://www.beret.co.jp/books/detail/?book_id=331

2009年6月 8日 (月)

コンセントの穴の秘密!

      ―全然知らなかったよ!―09060609

【ステージ1】

みなさん、コンセントの穴の秘密を知っていますか? 上の写真を見て、何か気が付きますか?

実は、亀さんは気が付きませんでしたし、その秘密は全く知りませんでした。コンセントなんて、何十年見てきたのでしょう・・・。でも、全く気が付きませんでした。もっとも、じっくり見ることもありませんでしたがね。

先週の水曜日、寝ぼけ眼で、深夜テレビ番組(番組名は不明?)を見ていると、“コンセントの穴の長さが左右違うのはなぜか?”という疑問に、番組が答えているのです。

みなさん、左の穴の長さの方がが長いのが分かりますか?もし、この写真がおかしいと思う人は、近くのコンセントで確認してください。

【ステージ2】

①なぜ、左右の長さが違うのかについては、左の穴につながる電線は、接地している(地面につながっている)電線であることを示しているようです。

②また、なぜ、接地されているかというと、(電気は、送電線からの電気を変圧器で降圧して家庭に引き込んでいますが、故障等で降圧できないときに)家庭に高圧の電気が流れると、火災・人身事故等の原因になるので、高圧の電気を地面に逃がす必要があるからのようです。

亀さんの説明で分からなかった人は→こちらをクリック!

“人の気付かないところで、大切な役割を果たしているものが沢山あり、それを支えている科学技術があるんだなあ!”と感じました。

翌朝、奥さんに、コンセントの穴の長さの違いを話したら、「本当だ!」と大喜びでした。でも、それ以来、コンセントが目に付いて仕方ないようです。(記入者:亀さん)

追記:愛読者のシェリーさんに教えてもらいました。番組名は、テレビ朝日の「シルシルミシル」(水曜23:15~)でした。

2009年6月 6日 (土)

産医師異国に向こう産後厄なく

    ―明智光秀、いちごパンツ―

昨日の「浅草の算子塚に行きました。」への野次馬さんのコメントを読んで、円周率の覚え方を思い出しました。

皆さんは、どんな覚え方をしましたか? 亀さんは、「産医師異国に向こう産後厄なく・・・」=3.14159265358979…と覚えました。

「こんな丸暗記をしても…」という意見もありますが、これと同時に、“円周率が循環小数でないこと”、また、“何万、何億桁も続き、何桁まで計算できるかが研究されていること”や“江戸時代の人が20桁以上計算したこと”などを知って、数学の面白さに触れたような気がしたものです。

平方根も、“一夜一夜に人見ごろ”(√2=1.41421356…)か、“人並みに奢れや、おなご”(√3=1.7320508075…)か、“富士山麓、オウム鳴く”(√4)とか覚えました(注1)

化学では、元素の周期表(注2)を“水兵リーベ、バックの船、なーに、間があるシップはすぐ来らー”(H、He、Li、Be、B、C、N、O、F、Ne、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、Ar)と覚えました(注3)

これらのことも、丸暗記だと批判したり、“実生活にどれだけ役立ったか?”などと、野暮なことは言わないで、数学や科学の面白さの入口として活用すればいいのではないかと思います。

このほか、“いい国つくろう・鎌倉幕府”(1192年)などの歴史年号の覚え方(注4)がありましたね。最近は、“明智光秀、いちごパンツ(1582年本能寺の変)”っていうのもあるようですよ。

こんなことが、皆さんにとって、今となっては楽しい(又は苦い)青春の1ページになっていませんか?(記入者:亀さん)

(注1)平方根の覚え方:http://mtf.z-abc.com/?eid=683068

(注2)周期表:http://www.d2.dion.ne.jp/~hmurata/goro/table2.html

(注3)周期表の覚え方:http://www.d2.dion.ne.jp/~hmurata/goro/digest/yoko01.html

(注4)歴史年号の覚え方:http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/nengou.htm

2009年6月 5日 (金)

浅草の算子塚に行きました。

    ―円周率を計算した男たち―09060401_2 09060402

亀さんは、先日、浅草に行ったときに、浅草の浅草寺・新奥山(注)にある「算子塚」に行って見ました。

その理由は、最近、鳴海 風著「円周率を計算した男」(新人物文庫)を読み、江戸時代の数学(和算)学者の生きざまを知り、また、その一人の会田安明の功績を讃える「算子塚」が浅草寺にあることを知ったからです。

「円周率を計算した男」の文庫本は、今年5月14日に刊行されものですが、和算学者6人の生きざまを主題とした「円周率を計算した男」(歴史文学賞・日本数学会出版賞受賞作)などの短編を集めたものです。

亀さんは、高校の日本史の教科書で、江戸時代に”世界的な数学者の関孝和”がいたことを知識として知っていましたが、関孝和が突然変異的に出現したように漠然と感じていました。

しかし、この文庫本を読んで、関孝和の周辺に、立身出世・生活・学問的探究のために、和算を学んだり、円周率の計算に躍起となったりした、多くの若者がいたことを知りました。また、江戸時代の日本には3.14の円周率を知る人が結構いたことに驚きました。

そのうち、関孝和と一番弟子の建部賢弘が考案した円周率の計算方法は、20世紀になって数値計算で使われるようになった方法のようです。200年以上も前にこうした計算法を日本の数学者が世界に先駆けて発見していたのは驚きです。

「算子塚」で讃えられている会田安明は、関流和算の閉鎖性を批判して少数派の「最上流和算」を創設した学者で、文庫本に所収された短編の「算子塚」にその生きざまがイキイキと描かれています。

なお、算子塚の近くには、関流和算の高名な?学者を讃える「五瀬・植松氏明数の碑」もあります。

この文庫本を読み、また、「算子塚」に行って、亀さんは、“最近、学問的な探究心が薄れているなあ!”と実感しました。同時に、一時採用されていた、円周率を3と教える「ゆとり教育」の無謀さを再確認しました。(記入者:亀さん)

(注)浅草寺五重塔の北西にあり、多くの石碑や銅像が集められている。http://www7.ocn.ne.jp/~sehayama/sinokuyama.htm

(下の写真説明)左:新奥山、右:手前から、五瀬・植松氏明数の碑、狂歌三十六歌仙の碑、算子塚0906040409060403

2008年10月10日 (金)

おめでとう、ノーベル物理学賞(定員3名が全部日本人)

このたび、ノーベル物理学賞の定員3名を全て日本人が受賞した。南部さんが「自発的対称性の破れの発見」で受賞、益川さんと小林さんは「CP対称性の破れの起源発見」で共同受賞。

まず、南部さんは1960年代に「対称性の破れ」理論を初めて素粒子の世界に導入。益川さんと小林さんは、その理論を勉強して、さらに発展させたようである(すみません、私は理解できていません)。特に益川さんは南部さんの論文をしゃぶりつくすほど読んだとのことで、同時受賞を大変に喜んでいる。

ところで、南部さんは戦後間もなく米国に行って数十年研究された所謂頭脳流出組である。一方、益川・小林のお二人は留学は一切していないので純国産のノーベル賞である。純国産での受賞は日本の物理学の発展のためにも、本当に喜ばしいことである。ニュースによると、お二人は対照的な性格らしいが、テレビで拝見すると、ヤンチャな益川さん、温厚な(しかしプライドの高い)小林さん、という感じがする。何れにせよ、微笑ましいコンビだと思う。

自分の話になるが、私は中学・高校時代は物理班に入っていて、高校のときには原子力や核磁気共鳴などに興味を持って勉強していた時期がある。東芝の研究所に手紙を出したら、主任研究員の方から返事が来て恐縮したりした。そんな物理少年の時代があったので、物理と聞くと懐かしい思いと、嬉しさを感じている。なお、物理班の仲間数人のなかで、研究の道に進んだのは、現在名古屋大学で結晶の研究?をしているY教授唯一人である。Yさん、名古屋大のノーベル賞第2弾は無理ですかね?(INO記す)

※10月10日に、純国産ではないが先達である南部さんを追加しました。

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