―ふるさと・第2日目(1)―
ふるさと第2日目は、今回の帰省の主目的の吉浦八幡神社のカニ祭り(注1)の見物等です。
このカニ祭りは、秋の収穫に感謝する、亀さんのふるさとの秋祭りで、毎年10月の第1日曜日に開催されます。亀さんは、色々な事情で、小学生時代以来、参加・見物をしたことがなく、55年ぶりにこのお祭りを見物することになりました。
このお祭りには、各地区からだんじり(山車)、御輿、大太鼓、獅子舞などが出て、お昼ごろまでに丘の上にある神社に集結します。そして、1時過ぎに神社を出発して、町に繰り出します。
神社の百数十段の石段を上るところ(「宮上り」と言います。)と下ってくるところ(「宮下り」と言います。)が、メインイベントになります。
宮上りは、神様に早く会いたいとということで、一気に石段を登るのですが、宮下りは、神様に後ろ髪を引かれるということで、何度も登ったり降りたりするので、大きな出し物は勇壮です。
広島駅から吉浦駅まではJR呉線です。広島駅では、冒頭の写真のような広島カープ応援の塗装をした電車に遭遇しました。
10時過ぎに、JR吉浦駅に降り立つと、早速、本町地区の鬼(注2)が歓迎してくれました。
亀さんは、親戚への挨拶もそこそこにして、出店の多く出店された本町地区を通って、神社の石段に急ぎました。その途中で、出発準備中の宮花地区の御船のだんじりにも出会いました。
11時、重量3トンの頂載(ちょうさい)と呼ばれているだんじりを先頭に、各地区の出し物の宮上りが始まりました。
頂載は、町中では車の付いただんじりとして、曳き回されますが、石段の下で車の部分と切り離され、御輿に形で石段を上ります。
また、頂載の中では4人の男児が小太鼓を叩いていますが、振り落とされないように括り付けられています。
大太鼓の行列などを挟んで、2番人気の御船がやって来ます。(この重量も1.5トンありますが、昔はもっと大きかったような気がしたので、尋ねて見ると、重すぎて担ぎ手が集まらないので、小さくしたようです。)
これが上った後で、亀さんたちは、石段上の境内に登っていきました。
次々に、米俵、酒樽、神龍の御輿が上ってきます。
それぞれの御輿などは、社殿に突入しようとする行動をしますが、入れません。今年社殿に入れるのは、東上地区の太鼓と決まっていたようです。
最後のあたりになって、亀さんの育った東上(ひがしあげ)地区の太鼓が上って来ました。亀さんも小学校5、6年生のときに太鼓を叩く稚児として参加していました。今年は、この地区の太鼓が社殿に入ることになっていました。
亀さんは、地区の会長さんにお願いをして、東上の太鼓を叩かせていただきました。各地区の太鼓の叩き方には流儀があるので、東上の流儀で叩こうとしたのですが、“昔取った杵柄”とは行きませんでした。(記入者:亀さん)
付記1:女性や若い人の参加が目立ち、上の写真のように、東上地区のお囃子の笛の吹き手は女の子が目立ちました。また、東上地区の祭礼委員会の副青年部長も若い女性でした。
付記2:だんじりや御輿の担ぎ手は、それぞれが作った手甲をしていましたが、相当に手の込んだもので、奥さんは大喜びで写真を撮っていました。
(注1)吉浦は昔からの漁師町で、ワタリガニ漁が盛んでした。ワタリガニの旬は秋。秋は神社の祭りの季節。それでカニ祭りと呼ぶようになったそうです。今ではカニ漁をする人はいないということですが、カニの飾り物を付けた御輿や山車が往時を物語っています。かに祭の風習は残っていました。祭りにワタリガニを食べるのです。(RCCテレビ・イブニング4:http://www.rcc-tv.jp/four/corner/j_1010.htm)
(注2)鬼には、各地区の出し物を先導し、交通整理の役目がある。天狗や博労(ばくろう・写真下)が先導する地区もあります。
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