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2012年1月13日 (金)

紹介できなかった震災関連本―野次馬の読書案内(016)

昨年の東日本大震災以後も変わらず本は読んできましたが、なかなか皆さんに紹介する気分になれずすっかり間が空いてしまいました。お詫びしておきます。直接震災に関連する本もそうですが、珍しく書庫から『方丈記』『徒然草』『梁塵秘抄などの古典を引っ張り出して読んでみたり、ノンフィクションでは吉村昭さんの『三陸海岸大津波』を再読したりとさまざまな本を手に取りはしました。私は被災地に親戚はありませんが、東北旅行の途中で酔狂にも訪問したことで<お知り合い>になった同姓同名の東松島市の元・漁協組合長が今回の津波で亡くなったこともあり、災害そのものの大きさもあって書く前から気分が萎えてしまったというのが正直なところです。「傍観者にすぎないのにあれこれ書いても」という気持もありましたし。片づけ前にいくつか並べてみました。

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下・右の『震災歌集』(中央公論新社)は、俳人の長谷川櫂さんが巨大地震と津波、続いて起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故から始まった混乱と不安の12日間を俳句ではなく短歌に心情を託した歌集です。まさしく「やむにやまれぬ思い」が凝縮されていると話題になりました
「津波とは波かとばかり思ひしがさにあらず横ざまにたけりくるふ瀑布」
から始まる約120首はいずれも心にずしんと響く力作で、なかでも
「松島の島々こぞり盾となり津波より町を守りぬといふ」
というのがあったのにJR仙石線で数駅行ったばかりの東松島市の「東名(とうな)」や「野蒜(のびる)」は駅舎ごと津波にさらわれ多くの方が亡くなりました。ですから最後の
「復旧とはけなげな言葉さはあれど喪ひしものつひに帰らず」

まで読み切っても紹介しようという前にあの衝撃的なニュース映像や、組合長のお顔が浮かんだりしてまさに「さまざまな思いに振り回される」日々でした。 

その左は地震考古学の第一人者である寒川旭(さんがわ・あきら)さんの『日本人はどんな大地震を経験してきたのか』(平凡社新書)。発掘現場から見つかった「噴砂」という液状化を伝える地層の謎や古文書に残された大地震の紹介で「揺れ続ける日本列島」の姿がわかりやすく紹介されています。

上・左は、昭文社の『東日本大震災復興支援地図』(写真はなし)と一緒に買ってきた『大地震の日本史』(ダイアプレス)です。大地震だけでも古代から現代までこんなにあるのかとあらためて驚かされてしまいます。
先日、滋賀県立図書館の「新春書庫探検隊」というイベントに参加、江戸時代はじめに滋賀県で発生した「寛文近江大地震」=寛文2年(1662)5月1日発生=はマグニチュード7.3-7.5でした。琵琶湖でも津波が起きましたし、わが大津市にある膳所城の天守閣などが琵琶湖に崩れ落ちました。その修復図面を見せてもらいましたが「ああ、あの地震のことか」と早速役に立ちました。
 

その右の『震災日記』(松尾眞、アルファベータ)は、東日本大震災翌日の12日に「震度6強」の大地震に襲われた長野県栄村の記録です。筆者は地震当日から被害状況をネットで発信続けた「NPO法人栄村ネットワーク」理事で京都精華大教員。ご母堂が家内の知り合いでこの本をいただきました。地震発生直後からネットで発信し続けた迫真のドキュメントというだけでなく総理大臣(当時は管首相)をも動かし、行政はどうあるべきか、被災者は何をすべきかから将来にわたる復興の道筋までを提言する稀有の記録になっています。 

最後に下・左は中公文庫から文春文庫に版権が移っていますが先に紹介した『三陸海岸大津波』です。手元には中公新書で『海の壁』として発表したものから今の書名に変わった中公文庫版もありますが、こんどの文春文庫版はまだまだ版を重ねそうです。

余談ながら「何でそんなに本があるのか」ですが、出るたびに解説者が変わるのでそれを読みたいばかりについ、と言っておきます。
 (記入者:野次馬)

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