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2011年12月22日 (木)

京都師走スケッチ=終い弘法(その3)

境内奥の一角で人だかりがしています。のぞき込むと皆さん何かを懸命に撫でています。「おっ、この石像は<亀さん>だ!ぜひブログで報告しなければ」と行列が途切れる瞬間を狙いパチリと撮ったのが下の写真です。同時に四方八方から手が伸びて全体は無理でした。皆さんまず頭のところを撫で時計回りで1周します。その際、自分の身体の悪いところと同じ場所を撫でます。「何周もしたらあかん。効き目なくなるで~」と叫んでいるおばさんがいて、1周のみの方がほとんどでしたが「撫で忘れてしもた」と言いながらやり直すお年寄りもいて大騒ぎです。いろいろと悪いところがある方が多いのでしょうね。

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裏手の説明板に「万病ぬぐい」と紹介され「亀」と思ったのは間違いで、中国の想像上の動物「贔屓=ひいき」というそうです。「竜の子である」とされ、重いものを背負うことを好み、甲羅の上に建つ石塔は永遠不滅を示しているそうです。甲羅を撫でると「万病平癒の効果がある」とありますが<正しいやり方>はすぐ前の御影堂で「万病ぬぐい」という白布(300円)を求め、それで石像を撫でて持ち帰り、体の悪いところを撫で「病気が治ったり、効き目がなくなってきたと思ったら」布納めの棒に結んで奉納する、と説明があります。奉納されたなかには真っ黒になったのもありますが「汚れたら」ではなく「病気が治ったり、効力がなくなってきたと思ったら」奉納してくださいというところが面白いですね。効果・効能や霊験ありとさりげなく言ってるようで。

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その隣のほうには「天降石」というのもありました。別名は「なで石(=撫で石)」といいます。ここでも皆さんひっきりなしに石を撫でさすっては自身の身体の悪いところに触っていました。「天降」といっても空から降ってきた隕石ではなく、鴨川や桂川あたりにある堆積岩の「チャート」か、それがさらに沈み込むことで高温・高圧の変成作用を受けて再結晶化した「石英片岩」でしょうか。

余談ながら、書庫にこうした「おかげ石」を紹介した本があったはずがどうしても見当たらず、残念!机の脇の棚に置いて重宝?している『川原の石ころ図鑑』(ポプラ社)や『かわらの小石の図鑑』(東海大学出版会)による<仮分析>です。遠くから運ばれてきたものでなければ「平安京」以前の京都盆地の成り立ちを伝える重要な証拠物件なのかもしれません。それにしても皆さんの<切なる願い>を長年受け止め続けて表面は「つるピカ」でした。

「われさきに 終い弘法 撫で納め」
「撫でさすり 買物はあと 弘法市」
 

(記入者:野次馬)

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コメント

亀さんも亀と思っていましたよ。
内臓が悪いときは、どこに触ればいいんでしょうか?亀さんは、神経痛がないので、これらの石のお世話にならなくて良いのかな??

亀さんへ さて、私は多少の不調なら「意志で治す!」派なのでどうなんでしょう。「結石を<撫で石>で!」というとダジャレみたい。

こんにちは。
「効力」に「有効期限」が有る事が、面白いですネ。
私は「悪い所は切る派」です。胃は有りませんが、無い方が調子よく太っています?
よく友人が「頭(脳)の調子が・・・」と言います、私は「首から切ってもらったら・・・」???
最後の写真「サルがこちら見てる?」と思いました。

マルチュウさんへ 東寺は「平安京」の唯一残る遺構として世界遺産になっていますが、寺を今日まで支えてきたのは庶民信仰です。「万病ぬぐい」や「撫で石」だけでなく他にもさまざまな<おかげをいただく信仰の営み>があります。毎朝6時からの「お舎利さん」という行事などもそうです。お参りされる皆さんは「何かを求めて」来られるのでしょうがお寺さんからは○○に効きますとは言われないわけで「求めよさらば与えられん」です。ですから効力も「効き目がなくなったと思われたら」と。<すべては心のままに>でしょうか。(菅原洋一さんの歌みたい)

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