久しぶりに「アートな現場」へ(その1)
新聞のコラムで知った風変わりなアートイベントをのぞいて見たくなり京都府亀岡市まで出かけてきました。会場は「亀岡商工会館」という4階建ての古ビルで年間30万人もの観光客が訪れる「保津川下り」の乗船場のすぐそばにあります。左が会場のビル、屋上から下流の京都方面を眺めると橋の右手前に現在の乗船場があります。
ビルが建てられたのは1958年(昭和33年)で、1階で乗船の受付をして石段下の乗船口から船に乗り込み京都・嵐山まで約16キロ、2時間の急流下りに出発しました。上階は観光ホテルでしたが、その後、遊船組合が独立し乗船場がすぐ下流に新設されたため商工会館となりましたが市の中心部への移転により現在はほとんどが空き室になっています。 イベントは「場所の力――亀岡プロジェクト2011」。同市内にある京都学園大人間文化学部の授業「アートギャラリー実習」の実践のひとつです。プロジェクト代表の岡崎宏樹准教授は保津川の水音などを素材として構成した環境音楽のサウンドアートを、もう一人の代表、美術家・藤阪新吾氏は窓を開け放つことで場所の存在を示す作品「in-between(間戸)」=下左を。学生それぞれも過去の保津川の氾濫でビル1階が天井まで水に浸かった災害の歴史をイメージして部屋いっぱいに水を入れたビニール袋を並べた「SINSUI(浸水)」=下右などの作品を発表しています。 壁に印刷された数字=下左も作品です。ビルの建てられた1958年と商工会館だった1973年-1999年、そして将来はどうなるのか未定なので右部分は消えています。みなさんがギョッとするのがこのオブジェ=下右も作品、リアルなオオサンショウウオは実際のタイルの汚れにマッチしているようで。開発によって川の住処を追われた告発?「触ってもいいですよ」というので恐る恐る触れてみるとゴム製でした。 (記入者:野次馬)
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