踏鞴焼の世界
「踏鞴(たたら)焼」陶器の展覧会―藤岡炭遊陶芸美術展―が17日まで開催中で、“赤い色合いをした陶器が素敵だ!”という噂を聞き、15日に昼休みに、銀座2丁目の「クオリア画廊」に行きを見てきました。
「踏鞴焼」とは、踏鞴(注1)を使い、木炭の直炎で焼く独自の焼成法によって作った陶器で、藤岡炭遊氏(注2)が考案し、確立した焼物です。
窯に入れる作品は1回で1個のみで、1品ごとに、季節・炭の質や並べ具合、鞴(ふいご)の踏み加減や踏む時間などによって作品の出来具合が異なるようです。
また、窯の中で作品の上部と下部の温度差が100~200℃生じるため、一度焼きで、複雑で多彩な窯変を作り出せるようです。
それらの作品の写真を撮ってきましたので、ご覧下さい。(値段の順に並べてありますので、比較しながら見ると、面白いですよ。)
まず、上左は、「行雲流水」という作品で、「第15回 日本の美術~全国選抜作家展~」の出品作品だそうです。上右は、「饗報」という作品で、200万円を超える値段が付いていました。
これらの作品の名前は、作品が出来上がったのちに、そのイメージに合った名前を漢語でつけるそうです(注3)。
確かに素敵な作品がたくさんありました。しかし、値段は相当高く、ここに掲載した作品は最低でも約20万円です(注4)。
亀さんは、紅い色がきれいな「殷紅」という茶器が気に入りましたが、とても手が出せませんでした。(記入者:亀さん)
(注1)踏鞴(たたら)は、初期の製鉄法で、足で踏んで空気を送る大形のふいごやその装置をした砂鉄精錬炉のことです。
(注2)藤岡炭遊氏のHP:http://www5b.biglobe.ne.jp/~tanyou/
(注3)例えば、「行雲流水」は“流れ行く雲や水のようにさまざまに移り変わること”で、「饗報」は“神にお供えものをしてその恵みに報いる”意味で、「磷磷」は“色彩や光沢が鮮明でつやつやしている様子”という意味で、名付けられたようです。
(注4)出店作品には、1万円台のものもありましたが、踏鞴焼らしさが出ている作品は10万円以上でした。
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コメント
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たたら焼とは初めて知りました。素人目でもいいなあと思うものは高いんでしょうか?手が出なくても目で感じることで心が豊かになりますね。
投稿: 慧ちゃんママ | 2009年10月17日 (土) 00:06
> 慧ちゃんママ さんへ
お久しぶりです。
「踏鞴焼」は、亀さんも初めて見ました。
評判どおり、紅い色がきれいでした。しかも、同じ紅いいろでも、値段の高いものは光っていて素晴らしかったですよ。
投稿: 亀さん | 2009年10月17日 (土) 09:35