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2009年5月13日 (水)

福田定一の『花妖譚』―野次馬の読書案内(001)

「福田定一」という名前をご存知だろうか。後に日本を代表する大作家になった人物だからファンの方ならあるいは、とは思うけど。この人が書き遺した短編集が4月に「文春文庫」から発売になった。それがこれ。あえて名前は伏せておきます。

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ではヒントを3つ差し上げましょう。

1.大阪市生まれ

2.直木賞作家で文化勲章を受賞

3.画家の須田画伯(剋太)と「二人三脚」で出かけたシリーズも有名

さて、次のページで、答となる「本の表紙」とその内容を紹介しましょう。

おわかりでしたか?答えはそう、司馬遼太郎です。作家としてデビューする前の56年から華道・未生流の雑誌「未生」に、本名の福田定一で発表した短編10作品を全集以外では初めて紹介したものです。水仙、チューリップ、牡丹、睡蓮、菊から蒙古桜に至るまでそれぞれの花の<妖しい世界>を描いた幻想小説です。舞台も日本だけでなく中国からモンゴル、ペルシャへ。このシリーズの前年に講談倶楽部賞を受賞した『ペルシャの幻術師』を司馬遼太郎名で発表しているところからも、本格的な作家としてまさに羽ばたく決意を固めた時期の作品です。「森の美少年」「黒色の牡丹」が私のおススメですがいずれも秀作なので甲乙つけがたいところです。しかもお値段はワンコインでお釣りがくる420円(税込)です。 (記入者:野次馬)

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コメント

亀さんは、司馬遼太郎の小説は良く読みました。三島由紀夫とともに好きな作家でした。
中でも、「峠」や「関ヶ原」は滅びの美学を楽しく読みました。
因みに、亀さんの最初の子供(長女)の名前は、「関ヶ原」に出てくる石田三成の愛妾から取りました。(あとで、妾の名前を付けたことが家族に分かり顰蹙を買いましたが…)

亀さんへ 今回初めての「野次馬の読書案内」ではクイズ形式にしたがる悪いクセが出ちゃいました。でも楽しんでいただければそれはそれで。
名前はひょっとして「初○」(の局)ですか。「偶然、偶然」と一笑に付す、という手もあったのに。彼女なら家康が送り込んだ「くの一」で三成に惚れてしまうんでしたよね。
次回は光文社新書の『地団駄は島根で踏め』を紹介します。クイズはなしで。

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