―鞦韆人形・殿返人形・茶運人形の実演―
昨日に続いて、「特別展・からくり人形」の報告です。
次は、人形師の山本清右衛門さんによる自動からくりの「鞦韆人形」・「殿返人形」・「茶運人形」の実演・解説です。会場には、約50人の観客が集まり、イスに座って山本さんの実演と解説に注目しました。
まず、「鞦韆(しゅうせん)人形」です。「鞦韆」とは、ブランコのことです。箱をひっくり返すと、箱の壁面の人形がクルクル回転するのです。しかし、箱をもう一回ひっくり返しても、人形は回転しません。
なぜ、人形はクルクル回ったのでしょうか?(答は、下の①に書いてあります!)

次は、「殿返人形」です。少し触ると、自動的にでんぐり返し(バック転)をして、台から下に降りるのです。(写真の下段右→下段左→上段の順)
人形が自動的にでんぐり返しをするのは、人形の内部の小さな空間を徐々におもりが移動するためですが、そのおもりとは何でしょうか?(ヒント:重い液状の金属です。答は、下の②に書いてあります。)
次は、江戸時代の代表的な自動人形の「茶運人形」です。ネジを巻いてやってもすぐはスタートしませんが、茶托に小さな茶碗をのせると、ストッパーが外れ、動き出します。そして、台を一周して元の場所に戻ってきます。
この人形については、井原西鶴が「茶を運ぶ 人形の車 働きて」という句を作るほど驚嘆したそうです。また、推進システムに時計の機構が応用されているようです。
さて、この「茶運人形」の動力は、現在は鋼製のゼンマイですが、江戸時代のゼンマイは何で作られたのでしょうか?(ヒント:写真にそのゼンマイの素材が写っています。答は、下の③に書いてあります。)
非常に、科学的な関心も満たしてくれる実演・解説でした。(記入者:亀さん)
答①:箱の空間が2つの部分に分かれ、一方に入れてある砂が砂時計のように落下するときの力で歯車を回転させて、人形を回転させる。
答②:水銀です。
答③:セミクジラのヒゲです。机の上の黒いものがそれです。これをスライスして、ゼンマイにしました。
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