NHKドラマ「帽子」を観て
8月6日の「広島原爆の日」(注1)が近づくと、毎年、「広島」や「原爆」をテーマにしたTVドラマの放映があります。
8月2日の夜、NHK総合で、亀さんの故郷・呉市を舞台にした、ドラマ「帽子」が放映されました(注2)。1946年1月・呉市生れの池端俊策氏の脚本で、呉の帽子職人(高山春平:緒形拳)と「胎内被爆者」(注3)である女性(竹本世津:田中裕子)とその女性の実の息子(河原吾朗:玉山鉄二)を巡る物語です。
亀さんにとっては、故郷の呉市を舞台にしており(注4)、池端氏や世津が同世代であることや「被爆者」をドラマの軸に据えていることから、親近感を持って、このドラマを観ました。(因みに、亀さんは、父親が2次被爆者(注3)で被爆2世ですが、同期生には、親友のS君のような胎内被爆者もいました。)
このドラマを観て感じたことは、大別して、次の二つです。
一つは、“亀さんの故郷・呉市は、素敵な風景・伝統があり、素晴らしい人たちがいること”。
もう一つは、“亀さんの故郷・呉市には、過酷な自然(坂や急傾斜地の多い街)があり、戦争や原爆に翻弄されつつ気丈に生きた人たちがいたこと”。
亀さんは、故郷の風景などを懐かしみつつ、平和に対する強い感慨を持ちながら、このドラマを観ました。
もし、このドラマを観ていない人が居られたら、多分再放送もされるでしょうから、その機会に観ることをお勧めします。(記入者:亀さん)
(注1)最近、「原爆記念日」とか「平和記念式典」と「記念」という文字を使うことがありますが、亀さんは、「原爆が落とされた日」は記念すべきものではなく、平和を「祈念」すべきものだと考え、「原爆の日」や「平和祈念式」の文字を使用します。
(注2)NHK広島開局80年ドラマ「帽子」:http://www.nhk.or.jp/hiroshima/eighty/boushi/
(注3)胎内被爆者:原爆投下時に、母親の胎内で被爆した人。2次被爆者:被爆者等の救援活動等で、原爆投下直後に被爆地に入り、被爆した人。
(注4)臨海部の工場地帯、三条通りや両城地区・両城中学や呉港は、懐かしい風景でした。
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『帽子〜老いた帽子職人と若き警備員が 大切な人との再会の旅に出る・生きる誇りとは』内容戦前帽子職人だった父を夢みて跡を継いだ高山春平(緒形拳)。今は、広島呉に、父から受け継いだ帽子店を1人守っていた。そんな春平も最近は物忘れがひどくなり、たびたび、息子...... [続きを読む]
見ようと思いつつ野暮用があり出かけて。。
再放送を楽しみに待っています。
投稿: 福寿草。 | 2008年8月 3日 (日) 21:59
>福寿草。さんへ
亀さんは、時間的に見られるときにも、良さそうな番組は必ず録画しています。
このドラマも奥さんと見たのですが、別のテレビで録画もしました。
きっと再放送すると思いますよ。
投稿: 亀さん | 2008年8月 3日 (日) 22:09
TBありがとうございました!坂の学校から、世津をおぶって帰る春平、桜がきれいでしたね。しみじみと、ひとりひとりの暮らしがあって、それが原爆によって壊され翻弄される。静かな訴えが心に沁みました。再放送して、たくさんの人に見てほしいです。
投稿: 薔薇豪城 | 2008年8月 3日 (日) 22:11
> 薔薇豪城さんへ
池端俊策氏が同氏の故郷の呉を舞台にドラマを作っている話は、呉市役所の人から随分前に聞いていたのですが、こんないいドラマとは予想していませんでした。
最初は、故郷の風景を見るつもりで、見はじめたのですが、訴え方に品格があって感動しました。
投稿: 亀さん | 2008年8月 3日 (日) 22:23
おはようございます、
観そびれてしまいました。
再放送を楽しみにしています。
投稿: mico | 2008年8月 4日 (月) 06:00
> micoさんへ
故郷・原爆ということで、亀さんの評価には客観性がないかも知れませんが、亀さんとしては、NHKならではの良いドラマだったと思います。
きっと再放送すると思いますので、その際には観て、感想を聞かせてください。
投稿: 亀さん | 2008年8月 4日 (月) 22:54
このドラマは見てませんでした。
広島市だけでなく、呉市や私の実家倉橋にも沢山の被爆者がいます。
お隣のおばさんは学徒動員で千田町の郵便局で被爆。
助かったんだけど「一緒にいた同僚達を助けられなかったのが無念」と聞きました。
投稿: IWATO | 2008年8月 5日 (火) 23:16
初めましていっちゃんです。
生まれてずっと広島で過しています。
トラックバック有難うございます。
就筆者は、広島出身の方で関東で活躍されているんですね。
原爆映画といえば、今までは直接被爆された方のものが多かったようですが、この度は体内被曝者の方の物語としてストーリーが展開します。
時代が新しくなっていくのかな?という気がします。
投稿: いっちゃん | 2008年8月 6日 (水) 08:00
>IWATOさんへ
母は父もピカドンにやられたと思ったそうです。
というのも、父は当日軍務で広島の師団司令部に行く予定だったのです。(実際は、原爆投下の時には、矢野付近だったようです。)
でも、投下直後、広島に入って二次被爆しました。
また、祖母と伯母は、広島の猿候橋付近の路面電車の中で被爆しました。
祖母は、生前、そのときの話をよくしてくれました。
投稿: 亀さん | 2008年8月 7日 (木) 01:10
>いっちゃんさんへ
コメント、有難うございます。
胎内被曝者や被爆2世が、被爆者の祖父母・父母から聞いた話・被爆者の受けた偏見等を自分の言葉で、後世に伝える義務があるのかも…と、亀さんも考えるようになってきました。
投稿: 亀さん | 2008年8月 7日 (木) 01:16